太平洋戦爭の末期、北海道の寒村に疎開してきた園部家の娘黃枝子に、村長の息子剛一との縁談がおきた。黃枝子は気が進まぬが、一家がよそ者としてこの村で暮すには、斷りきれぬと思う。祖母梅迺と母靜子もそんな娘の心を察して返事をためらっている。弟の範雄は若い潔癖感からこの縁談に反対だ。そこへ、長男秀行が病気のため戦場から帰還した。剛一が大陸の戦線で殘虐行為を犯しているのを目撃していた秀行は、早速この縁談を斷った。村中の園部家迫害が始まった。ただ猟師の信太郎とその娘百郃だけは別だった。戦友のいる仙台へ曏う秀行は、村境まで送ってくれた百郃にほのかな戀情を感じるのだった。ある日、買出し帰りの黃枝子は林の中で剛一におそわれた。黃枝子を迎えにきた百郃が剛一にむしゃぶりついた。危機を脫した黃枝子は百郃を救おうとし石で剛一をなぐりつけ二人は必死で逃げ出した。剛一の死が村に伝えられ、林巡査らが黃枝子を引渡せと信太郎の家に曏うが、百郃が猟銃をかまえて近づけない。黃枝子は警察へ行くというが、信太郎は彼女を百郃と共に山奧の白雪小屋に逃がす。ここに至り、村人は暴徒と化し、範雄、梅迺、信太郎らが殺された。折しも帰郷した秀行は、爭いをやめさせようと小屋へ急行したが、そのとき百郃の胸は兇弾につらぬかれた。必死で訴える黃枝子の言葉で、村人たちはやっと平靜にもどった。爭いは終ったが、百郃を呼びつづける秀行の聲が悲しい。日本降伏の二日前の出來ごとであった。>>更多关于死战传说